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アート ハミングバード

花のまわりを飛ぶハミングバードのように、アートのまわりを飛び回ります。

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深井隆展-7つの物語-

一度見ただけで心に残っている作品があります。
朝日新聞の紹介記事を見て、大地の芸術祭-越後妻有トリエンナーレ-で見た、
翼がある椅子の作品を思い出しました。

うろ覚えですが、山の中で少し開けた死と関連のあった場所に
木製の椅子があって座ってまわりを感じる作品でした。

退官記念の展覧会は、東京芸術大学美術館の3階です。
どっしりとした木彫の椅子、金のリンゴ、青銅を思わせる青い馬の作品は7つの部屋に分かれて展示されています。
サブタイトルに「7つの物語」とあるように、それぞれの、シリーズのような物語を感じました。
金のリンゴと青銅の馬からギリシア神話を思い浮かべました。

20181109 深井隆《逃れ行く思念-森羅-》2000 IMG_6837
深井隆《逃れ行く思念-森羅-》 2000年
入口にこの作品が立ちふさがっていました。
座面に金色のリンゴをのせ、背には翼が広がっている2人がけのソファー。
椅子にのって物語の世界にでかけるような感じです。

20181109 深井隆《王と王妃》2018 IMG_6842
深井隆《王と王妃》 2018年 
ギリシア神話の冥界の王ハデスと王妃プロセルピナを思い出しました。

20181109 深井隆《月の庭-海-》2014 IMG_6836
深井隆《月の庭-海-》 2014年
床に散らばっている翼が一斉に椅子の翼につながって、あっという間に飛んで行ってしまいそう。

深井隆《月の庭-旅-》 IMG_6854
深井隆《旅の庭-旅-》 2016年
トロイの木馬のような、月の沙漠のような、物語が始まりそうです。
 
20181109 土屋仁応《森》 IMG_6851
同じ美術館の地下で開かれていた展覧会で土屋仁応《森》を見つけました。
優しい目をした鹿、角が森のようでもあり、森から鹿がこちらを覗いているようでもあります。

退任記念 深井隆展 ― 7つの物語 ―
https://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2018/fukai/fukai_ja.htm
東京藝術大学美術館3階 2018年11月1日(木)~11月11日(日)

同時開催「刻まれた時間-もの語る存在」展 同美術館地下2階
藝大彫刻科教授深井隆に学び、その後、教育研究助手や非常勤講師として彫刻科に在席した作家26名による展覧会。
https://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/current_exhibitions_ja.htm
これからの展覧会 ************

高島屋美術部創設110年記念 
東京芸術大学退任記念 深井隆展-在ることについて-
2018年10月31日(水)~11月19日(月) 日本橋高島屋S.C.本館6階美術画廊X
2018年12月12日(水)~25日(火) 大阪高島屋6階ギャラリーNEXT
2019年 1月23日(水)~29日(火) 横浜高島屋7階美術画廊

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藤田嗣治の全貌を知る展覧会-東京都・京都-

画家・藤田嗣治(レオナール・フジタ 1886-1968)の学生時代から晩年までの作品100点以上をも集めた充実した展示でした。代表的な乳白色の女性、大画面の戦争画、中南米への旅、自らが眠る教会の壁画など。公開される機会が少ない個人蔵作品が多いのも特徴的でした。

20180909 藤田 IMG_6499 コピー
左:2018年のパンフレット 《カフェ》(1949年、ポンピドゥー・センター)
右:2006年のパンフレット 《カフェにて(部分)》(1949-63年、個人蔵)

写真は2006年の生誕120周年を記念する東京国立近代美術館のパンフレットと今年2018年の没後50年を記念する東京都美術館のパンフレット。2点の作品は同じ作品と思ったらちょっと違いました。2018年はつるつるした紙、2006年は艶のないマットな紙、紙の違いによる印刷効果から印象も違っています。
いくつかバージョンがあるようです。中央の女性の右手をご覧下さい。指の形が違います。左手や頸の角度も違います。女性の頭の上にある数字、男性2人の位置などなど。
今年展示の作品《カフェ》は藤田自身が彫刻を施した額も見所です。

20180909 藤田 IMG_6501 - コピー
左:《私の部屋、目覚まし時計のある静物》(1921、ポンピドゥー・センター)
中:《サーカスの人気者》(1939年、島根県立美術館)
右:《すぐ戻ります(蚤の市) 》(1956、パリ市立近代美術館)

私が好きな作品は、モノに愛情を込めた描いた作品です。家具や室内にも描いたり、裁縫も得意だったらしく、手先が器用でつくることが好きな藤田の一面が見えるようです。絵画に魂を塗り込めた作品とは違って、アトリエや風景を描いた作品からは暮らしの温かさや軽みが感じられました。

藤田は20代でフランスに渡り、エコール・ド・パリの一員として活躍、第2次世界大戦中は多くの戦争記録画を描きました。戦後、フランス国籍を得て、壁画を描いたランスの礼拝堂に眠っています。

展覧会では8つの章で、藤田の生涯を追っています。
Ⅰ 原風景―家族と風景
Ⅱ はじまりのパリ―第一次世界大戦をはさんで
Ⅲ 1920年代の自画像と肖像―「時代」をまとうひとの姿 
Ⅳ 「乳白色の裸婦」の時代 
Ⅴ 1930年代・旅する画家―北米・中南米・アジア 
Ⅵ-1 「歴史」に直面する―二度目の「大戦」との遭遇
Ⅵ-2 「歴史」に直面する―作戦記録画へ
Ⅶ 戦後の20年―東京・ニューヨーク・パリ 
Ⅷ カトリックへの道行き 

【没後50年 藤田嗣治展】
展覧会特設ページ http://foujita2018.jp/
東京都美術館 2018年7月31日~10月8日
京都国立近代美術館 2018年10月19日~12月16日 

モネが見たかった青いスイレン

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横浜美術館で「モネ それからの100年」展が2018年9月24日まで開かれています。
モネの初期から晩年までの絵画25点、後世代のモネから影響を受けたり、共通点がある26作家の作品66点を展示、。
1926年86歳でモネがなくなってから、作品が忘れらた時期がありましたが、1950年頃から再び注目を浴び、最近ではモネの晩年の作品が現代アートにも影響を与えたと考える展覧会も開かれています。

モネ作品と現代アート作品を並べた展示で、モネらしくないと思ったらモネだったり、キャプションを見たらモネでなかったり。
横浜での展示は、モネの作品をもう一度見て考える機会でもあります。

20180807 1603睡蓮 IMG_6195 - コピー
ところで、美術館の前に本物スイレンがあるのにはお気づきでしたか?
スイレンは熱帯から温帯にかけて広く分布するスイレン属の植物の総称で、多くの園芸品種があります。
中国で「睡蓮」と呼ばれるようになったのは、この花が夕方に閉じることから、「眠るハス」と考えたため。「すいれん」はそれを音読みしたもの。
日本にはヒツジグサ1種が自生します。この名前は未の刻(午後2時頃)に花が咲くことに由来するとされますが、実際に咲く時間は一定していません。

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並んでいる花でも咲く時間が違いました。白いスイレンは10時23分。ピンクのスイレンは16時3分、同じ8月7日の撮影です。

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また、モネは青いスイレを描きたかったのですが、青いスイレンは熱帯性なので、フランスで育てることができなかったようです。
写真の青いスイレンは2017年4月にハワイのショッピングセンターで撮影しました。

【モネ それからの100年】展 https://yokohama.art.museum/exhibition/index/20180714-499.html
横浜美術館 2018年7月14日(土)~9月24日(月・祝)

横浜美術館紹介
みなとみらいの横浜美術館でアートをみよう・つくろう・学ぼう
https://www.travel.co.jp/guide/article/26895/

ショーメ展 240年もの歴史を刻むジュエリー

ショーメはパリの宝飾商の中でも古く、歴史は1780年から始まります。
ショーメ展では宝飾品、デザイン画や写真等約300点を展示しています。
趣のあるこの三菱一号館美術館の建物にマッチした内容で、ショップも充実していました。

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3章の「戴冠!ティアラの芸術」にはティアラのデザイン見本が壁一面に。19世紀前半から現代までのティアラが20点。
このコーナーは撮影可能で、暗い展示室では、シルエットも素敵でした。

入口入るとすぐ、ナポレオンとジョゼフィーヌの等身大に近い大きさの肖像画が並んでいます。

《戴冠衣装の皇帝ナポレオン1世》
フランソワ・ジェラール 1806年 パレ・フェッシュ美術館、アジャクシオ

所蔵しているフェッシュ美術館のHPでご覧ください
http://www.musee-fesch.com/index.php/musee_fesch/content/view/full/37040

戴冠衣装のたナポレオンは、権力の象徴を身につけています。
玉座、月桂冠、勲章頸飾、王笏、正義の手の杖、黄金の宝珠など。
ジョゼフィーヌとおそろいのビロードの臙脂色のマントには、ナポレオンの「N」、麦の穂、ナポレオン家の紋章で勤勉を表す蜂が刺繍されています。
ナポレオンがこの姿でダビッド《ナポレオン1世の戴冠式》に描かれたのだと、じっくり見ました。

でも、ほとんどの方は絵は一瞥で宝石ケースに釘付けでした。
ショーメの創業者マリ=エティエンヌ・ニトは、ナポレオン1世からの注文を受け、ヨーロッパで最も人気の高いジュエラーとなり、王侯貴族階級を顧客としていきました。

【ショーメ 時空を越える宝飾芸術の世界 1780年パリに始まるエスプリ】
2018年6月29日(木)~9月17日(日) 三菱一号館美術館
https://mimt.jp/chaumet/

【フェッシュ美術館】
《戴冠衣装の皇帝ナポレオン1世》を所蔵するフェッシュ美術館を調べてびっくり、訪れたい美術館のひとつになりました。
ナポレオン1世の母方の叔父で、芸術を愛したフェッシュが1860年に創設した美術館。
3階建ての壮麗な建物に充実したコレクションがあり、イタリア絵画コレクションは世界最大級の展示数を誇り、ルーブル美術館にも匹敵するほど。ルネサンス期とナポレオンの時代に描かれた、世界的にも評価の高い作品を数多く所蔵しています。
南仏アジャクシオの中心に位置する美術館の周辺は、議会宮殿やナポレオンの生家もあります。
http://www.musee-fesch.com/(フランス語)

手仕事の温かさ、木のぬくもり河合寛次郎展

日本近代陶芸を代表する陶芸家、河井寬次郎(1890−1966)の 仕事の全貌を紹介する大回顧展。
館内には撮影できる作品がありましたので、素敵だと思った作品を紹介します。

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《小箱各種》昭和7~37年
異なった釉薬・技法の小箱。手のひらにのるくらいの大きさで色が美しく、身近に置いて時々眺めたいほどです。

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2点とも《木彫像》昭和12年頃、47歳頃
娘の飼い猫がいなくなり、彫った猫と、脇息にしていた狛犬。
像を触っていたぬくもりが残っているような飴色でした。

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《木彫像》昭和29年
玉をのせる手、この裏には笑顔がありました。以外でした。
木彫の落ち着いた輝きを見て、寛次郎の住まいでもあった京都の河合寛次郎記念館を思い出しました。

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美術館(4階)のあるビル(パナソニック リビング ショールーム 東京)の1階にろくろ場の再現展示を展示しています。
石膏型も使って作品をつくり、左側に石膏型と完成品が並んでいます。

【没後50年 河井寬次郎展 ― 過去が咲いてゐる今、未来の蕾で一杯な今 ―】
2018年7月7日(土) ― 9月16日(日)パナソニック汐留ミュージアム
https://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/18/180707/

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プロフィール

art hummingbird

Author:art hummingbird
アート、本、映画を中心に
見たこと、感じたことを伝えていきます。

ハミングバードは蜂鳥のこと、
体長は約6センチ、
蜂のように羽を動かして、
空中に留まることもっできます。

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