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アート ハミングバード

花のまわりを飛ぶハミングバードのように、アートのまわりを飛び回ります。

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光あふれる庭とカーヴが美しい洋館:原美術館2021年1月に閉館

横短く
原美術館は品川駅から歩いて15分、小高い住宅街にあります。モダンな白い洋館は、1938年に渡辺仁が実業家の邸宅として設計、1979年に現代美術館としてオープンしましたが、2021年1月に閉館することになりました。

■大木が包み隠す前庭
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門からカーブしたアプローチに沿って進むと、椰子の木が並び、明るい窓のミュージアムショップ、入口があります。常設作品もあちこちに展示されています。アプローチの右、ピンクの公衆電話もキース・ソニアの作品《エスセシポールⅠ》(1982年)作品です。

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入口の右にはT字型の関根伸夫《空相》(1980年)作品、ステンレスに撮影者が映ってしまいました。木戸の奥は洋館の裏手で日本庭園になっています。

■最後の展覧会
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最後の展覧会「光―呼吸 時をすくう5人」は2021年1月11日(月・祝)まで開かれています。コロナウイルス感染防止のため、入館は予約制になり、最終申込の12月14日にはその日だけで最終日までの予約がいっぱいになりました。

館内に入ると、佐藤雅晴作品の自動ピアノからドビュッシーの「月の光」がゆるやかに流れています。佐藤はヨコハマトリエンナーレ2020で油彩を展示し、ここでは動画実景にアニメーションを加えたものを展示しています。説明では知っていたものの、実写をなぞってアニメにするとはこのことかと納得しました。一見すると静止写真のようですが、じっと見ていると1か所がアニメーションとわかり、注目していまいます。アニメーションの動きがピアノ曲に合わせたようにも感じました。

佐藤時啓は原美術館の内外で作品を制作し、点滅する多くの光を1枚の写真に収めています。ペンライトを持って走りまわる作家を想像してしまいます。光は撮影時には実在し、写真にとどまって作品になり、美術館はなくなっても、これらの作品として原美術館は残るのです。
今井智己、城戸保も写真を中心とする作品、リー・キットのインスタレーションも展示されています。

■カフェの楽しみ
20201118原美術館 IMG_4066 2018年2月16日撮影 カフェ ダール
中庭を囲むようなカーブに「カフェ ダール」があります。ランチセットは2018年2月16日に撮影したもの。毎回の展覧会にちなんだデザートも楽しみでした。残念、デザートの写真は見つかりませんでした。

初めて来たのは何年前だったのでしょう。自然光が差し込む展示室、いつのまにか増えている常設作品。不思議なタイル張りの部屋、赤い数字が点滅する暗幕で仕切った部屋、2階のテラスに出たこともありました。。
最終の来館は紅葉がきれいな2020年11月18日、前庭や門の撮影をしました。館内は撮影禁止です。洋館のカーブを楽しみ、コロナ感染予防のために少し開いた窓からはいつもと違う景色も見えました。

品川の原美術館は2021年に閉館しますが、1988 年に渋川市に設立した 「ハラ ミュージアム アーク」の館名を「原美術館 ARC(アーク)」と改め、現代美術の展示を続けます。4月下旬まで改修工事のため休館しています。広々とした原美術館ARCも楽しみです。

●原美術館 https://www.haramuseum.or.jp/jp/hara/ 
ホームページではWeb上の有料・無料の「イベント」を開催中です。

●このブログで原美術館を取り上げたもの
2014.6.28 :オオカミのクチから夢の世界へ:「ニコラ ビュフ:ポリフィーロの夢」
http://hummingbird331.blog.fc2.com/blog-entry-57.html

2012.11.16:10人それぞれのJAPANを受け止めて: 「ホームアゲイン―Japanを体験した10人のアーティスト」原美術館
http://hummingbird331.blog.fc2.com/blog-entry-15.html

●LINEトラベルjp「旅行ガイド」
東京・品川の「原美術館」光あふれる洋館で現代アートと出会う
https://www.travel.co.jp/guide/article/42561/

東京・品川の原美術館で「森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020」展
https://www.travel.co.jp/guide/article/42486/
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磁器の破片から歴史を探る「海を渡った古伊万里」展 大倉集古館

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左:カタログカバーの前見返し《色絵唐獅子牡丹文亀甲透瓶》有田窯 1700~1730年代 ロースドルフ城所蔵
右:展覧会パンフレット《色絵松竹梅鶴文八角大皿》有田窯 1700~1720年代 ロースドルフ城所蔵


オーストリア・ウィーン近郊にあるロースドルフ城で公開されていた古伊万里などの陶片が研究・修復され、大倉集古館で展示されています。豪華で華やかで美しく、日本の江戸時代の古伊万里、明治時代に欧米向けのつくられた有田焼を中心に、景徳鎮、ウィーン、マイセン、デルフト、ロイヤルコペンハーゲンなどで誕生した磁器が展示されています。

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カタログの表紙、《五彩・色絵花卉文碗皿(破片)》景徳鎮・有田窯 18世紀 ロースドルフ城所蔵

城主のピアティ家では18世紀ころから陶磁器を集め始め、日常に使い、城内を飾っていました。ところが、第二次世界大戦末期、ロースドルフ城がソビエト軍に占領され、多くの陶器が破壊されました。ピアッティ家は、陶片を集めて、戦争遺産として床に敷き詰めて、75年間も平和への祈りを込めて一般公開していました。

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「古伊万里再生プロジェクト」のパンフレット、日本語と英語

日本では陶片はかけらではあっても、大事にされ、壊れた陶磁器は直して使い、かけらのまま美術館で所蔵・展示されてもいます。NHK朝ドラの「スカーレット」でも、陶芸家を目指す主人公が信楽焼の陶片の色を出そうと苦心していました。床一面に広げられた陶片の展示は日本人にとっては衝撃的でもありました。そこで「古伊万里再生プロジェクト」が立ち上がり、専門家による研究と修復が行われ、展覧会が行われることになったのです。ここでの修復は研究・展示のためで、元の陶片に戻すことができるようになっています。

プロジェクトの始まり・目的などは保科眞智子代表 オンライン講演会をご覧下さい。
「文化を通じて繋がりを」YouTube 35分 2020/11/25

■東京藝術大学「文化財と戦争」事例紹介 : ウィーン近郊ロースドルフ城古伊万里再生プロジェクト - YouTube
http://https://www.youtube.com/watch?v=K1wLHnZmUZI&feature=youtu.be

ロースドルフ城はドイツの磁器産地マイセンにも近いところです。城主ピアッティ家はイタリア・ヴェネツィア出身の貿易商でザクセン宮廷に陶磁器を卸す仕事もしていました。展示室の2階中央に展示された大きな白く輝く壺《磁器大壺》にはザクセン王国第6代(1832~1904年)の肖像があります。王からの贈り物かもしれません。

美しく丈夫な磁器は「白い金」と宝石のように珍重され、権力と富の象徴でした。ザクセン選帝侯アウグスト2世(1670~1733年)は東洋磁器の熱心なコレクターで、ついにはマイセンの磁器工房で磁器の生産に成功し、多くのコレクションを築き、今でも都であったドレスデンの城やツインガー宮殿に展示されています。

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会場の大倉集古館は1917(大正6)年に設立された日本で最初の私立美術館です。ホテルの敷地内にあり、ホテルともに2019年にリニューアルオープンしました。同館とホテルとの間に新しく池ができ、大倉集古館は水に浮かんでいるように見えます。

■特別展 海を渡った古伊万里 ~ウィーン、ロースドルフ城の悲劇~
大倉集古館 https://www.shukokan.org/ 
2020年11月3日(火・祝)~2021年1月24日(日)  10:00~17:00
休館:月曜日、12/28(月)~1/1(金・祝)
巡回予定 
愛知県陶磁美術館(2021 年 4 月 10 日~6 月 13 日(予定))、
山口県立萩美術館・浦上記念館(2021 年 9 月 18 日~11 月 23 日(予定))

■古伊万里再生プロジェクト
http://https://twitter.com/KoimariLoosdorf

■紹介記事
東京・大倉集古館は建物も魅力のアート空間
https://www.travel.co.jp/guide/article/45641/

東京・大倉集古館で古城の悲劇が語る特別展「海を渡った古伊万里」
http://https://www.travel.co.jp/guide/article/45501/

常設展と楽しむ「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」:国立西洋美術館

ロンドン● IMG_3279
■3か月待ちぼうけ
「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」の会期は、2020年3月3日(火)~6月14日(日)でしたが、コロナ・ウィルス感染拡大防止のために2月29日から休館になり、展示は整ったものの、見ることができないのではないかと心配しました。
5月26日に、「スポーツ in アート展―ギリシャ彫刻×印象派の時代」(7月11日(土)~10月18日(日)予定)が中止になり、6月4日に首都圏の緊急事態宣言が解除されて6月18日(木)から開催されました。

7月になってから出かけましたが、入場人数制限のためにかえってゆったり見ることができました。
待たされた間には、テレビの日曜美術館、ぶらぶら美術館、西洋美術館学芸員のYouTubeレクチャーを見て、期待を高めました。会場では期待以上のすばらしさでした。

ロンドンロンドン・ナショナル・ギャラリー展の会期
国立西洋美術館 2020年6月18日(木)~10月18日(日)[当初の予定3月3日(火)~6月14日(日)]
国立国際美術館 2020年11月3日(火・祝)~2021年1月31日(日)[当初の予定7月7日(火)から10月18日(日)]

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20年以上前、ロンドンのナショナル・ミュージアムで買った絵はがきが出てきました。このなかから3点が今回来日しています。フルメール2点、ゴッホ1点です。同じくらいの大きさの油彩画が並んでいて、Vermeerがフェルメールであると気がついて後戻りして見たことを思い出しました。

■ゴッホのひまわりも初来日
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左:図録の表紙はクリヴェッリ《受胎告知》
右:図録の表紙は2種あり、もうひとつはチラシ・看板のゴッホ《ひまわり》(写真はチラシ)

看板や図録の表紙を飾るゴッホの《ひまわり》は最後の展示室の特別な空間にありました。ゴッホの「花瓶に生けたひまわり」は7点あり、1888年8月に4点、年末に1点。翌年1月に2点を南フランスのアルルで描きました。ここでの展示は8月の4点目、南フランスのアルルで、ゴーガンを迎えた部屋を飾り、ゴーガンに絶賛されたもので、花瓶にサインがあります。この作品をゴッホ自身が見ながらより明るく厚塗りに仕上げた作品は、現在SONPO美術館に常設展示されています。SONPO美術館は今年リニューアルオープンしました。

■全61点が日本初公開
ロンドン・ナショナル・ギャラリーは、1824年に設立された世界屈指の美術館です。この展覧会では、ルネサンスから後期印象派に至る61点のすべて日本初公開、イギリス国外で初めての大規模所蔵作品展です。サイズが大きな作品も多く、最大はクリヴェッリ《受胎告知》で高さ207センチ・幅146.7センチ、ほかにも高さ150センチ以上の作品も多く、細部まで細かいので1点1点が見応えがありました。

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ロンドン展の絵はがき:左上から時計まわりに
Ⅰ章 カルロ・クリヴェッリ《聖エミディウスを伴う受胎告知》1486年
Ⅲ章 アンソニー・ヴァン・ダイク《レディ・エリザベス・シンベビーとアンドーヴァー子爵夫人ドロシー》1635年頃
Ⅴ章 バルトロメ・エステバン・ムリーリョ《幼い洗礼者聖ヨハネと子羊》1660-65年
Ⅵ章 ヤーコプ・ファン・ロイスダール《城の廃墟と教会のある風景》1665-70年頃
Ⅵ章 クロード・ロラン《海港》 1644年
同じ作者の作品が西洋美術館に所蔵されています。

■西洋美術館所蔵作品との関係
ロンドン・ナショナル・ギャラリーのコレクションは、市民が市民のためにコレクションを持ち寄る形で形成されたことが特徴です。13世紀後半から20世紀初頭までの幅広い時代と地域をまんべんなく網羅する、「西洋絵画史の教科書」とも言えるコレクションです。西洋美術館の常設展示も、西洋美術の時代の流れにそったもので、合わせて鑑賞することができました。

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西洋美術館所蔵作品の絵はがき、ロンドン展と同じ作者のもの
左上から時計まわりに:エル・グレコ《十字架のキリスト》、ジャン・パティスト・コロー《ナポリの思い出》1870-72年、アンリ・ファンタン=ラトゥール《花と果物、ワイン容れのある静物》1865年、ピエール・オーギュスト・ルノワール《帽子の女》1891年、クロード・モネ《睡蓮》、フィンセント・ファン・ゴッホ《ばら》1889年

展示は7つの章に分れています。ここでは同展に展示された作品と同じ作家が西洋美術館所蔵作品の作家に何人いるのかを数えてみました。25人です。
ロンドン展出展作家は57人ですから、半数近い人数が重なっています。同じ作家を常設展示と合わせて見ることができました。
常設展の作品はWebサイト「所蔵作品」で図版と説明を見ることもできます。

ロンドン展、西洋美術館所蔵が重なる作家一欄
【Ⅰ イタリア・ルネサンス絵画の収集】
カルロ・クリヴェッリ、ティツィアーノ・ヴェチェッリオ、ヤコポ・ティントレット
【Ⅱ オランダ絵画の黄金時代】
ヤン・ステーン、ヨハネス・フェルメール
【Ⅲ ヴァン・ダイクとイギリス肖像画】
アンソニー・ヴァン・ダイク、ジョシュア・レノルズ
【Ⅳ グランド・ツアー】
ピエトロ・ロンギ、ジョヴァンニ・パオロ・パニーニ、ジョセフ・ヴェルネ
【Ⅴ スペイン絵画の発見】
エル・グレコ、フランシスコ・デ・スルバラン、バルトロメ・エステバン・ムリーリョ
【Ⅵ 風景画とピクチャレスク】
ニコラ・プッサン、クロード・ロラン、ヤーコプ・ファン・ロイスダール、リチャード・ウィルソン
【Ⅶ イギリスにおけるフランス近代美術受容】
ジャン=バティスト=カミーユ・ コロー、アンリ・ファンタン=ラトゥール、カミーユ・ピサロ、ピエール =オーギュスト・ ルノワール、エドガー・ドガ、クロード・モネ、ポール・ゴーガン、ポール・セザンヌ

■しばらく休館
西洋美術館は館内施設整備のため、ロンドン展終了から全館が1年半ほど休館になります。
オンラインでは、解説やレクチャーが続いています。

【全館休館】2020年10月19日(月)~2022年春(予定)

【オンライン・レクチャー】「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」
(配信期限:2021年1月31日(日)まで)約30分が3回
「イギリス風景画に見る伝統と革新」荒川裕子(法政大学教授)
https://www.youtube.com/playlist?list=PLjMPe9tntL7HZ_CmuGcH9Grl9BKzqZ6rj

【オンライン・レクチャー】西洋美術館研究員によるロンドン展の解説動画 各章ごとに約5分
https://www.youtube.com/playlist?list=PL5CTK6Bsk8nCk6F4DZ0srj5e2bIc8y48Z


見逃さないで、ここにも作品:ヨコトリ2020

★ヨコトリ IMG_5340 アトリエ近く (5)
横浜トリエンナーレは3年に一度開催される現代アートの国際展です。2001年に始まり、7回目の今年は、会期は2020年7月17日から10月11日まで、横浜美術館、プロット48、日本郵船歴史博物館の3会場、67組のアーティストが参加します。
「ヨコハマトリエンナーレ2020」のタイトルは「AFTERGLOW―光の破片をつかまえる」、5つのキーワード、独学、発光、友情、ケア、毒性がヒントになります。 

ここでは、見落としていまいそうな作品、チケットがなくても予約がなくても鑑賞できる作品を紹介します。

■横浜美術館は休館中? 
★ヨコトリ IMG_6192 0907
横浜美術館の正面を覆うグレーのシートはイヴァナ・フランケの作品《予期せぬ共鳴》です。どこから入ったらいいのと迷ってしまいます。三角屋根の下がいつもの入口で、柱の横から入館できます。ゆっくり近付いていくと、シートが揺れてモアレが見えます。

● IMG_5340 アトリエ近く (15)
小さな蝶チャバネセセリが止まっていました。白いストライプがくっきりと見えます。黒のストライプは幅広、奥に見えるシートは白が広くて、黒が狭いストライプです。《予期せぬ共鳴》の端から端まで見ていくと、ストライプの幅が違っていることに気が付きました。2重になっているところと3重になっているところもあります。

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ポルティコから外を見ると青空と向かいのマークイズの建物が鮮やかに見えます。歩くと変化するモアレも楽しめます。
「ポルティコ」は美術館正面にある長い廊下のこと、いつもはベンチが並んで一休みできる場所で、この作品がなければ出入りも自由です。

フランケはディレクターから美術館を消すことができるかという課題をもらい、この作品をつくりました。美術館は消えてはいないけれど、石造りのどっしりとした横浜美術館が休館なのか、工事中なのか、また初めて来た人には美術館がどこにあるのかわからない、美術館の存在が不確かなものになっていました。フランケは存在、確かさに疑問をもち、見る人に問いかけているようです。

イヴァナ・フランケ《予期せぬ共鳴》:作家は1973年、クロアチア生まれ、ベルリン拠点

■華麗なステップで踊る動物たち
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美術館の正面に向かって左側、「旧レストラン」では、ガンランの演奏に動物たちがリズミカルなステップを踏む《動物故事》、5分の動画は心地よく、何度も見ても飽きません。繰り返されるリズムとガムランの音に、深い森の奥にいる動物たちの世界をのぞき見たようでした。

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奥に進むと、元厨房だったところに、踊ったり、演奏したりしていた動物たちがいました。よく見ると、動物たちの体に英語や漢字がありました。

作者は死者を弔う際に用いられる紙細工の製作を生業とする家に生まれました。紙細工の技術と現代のアニメ技術が作品をつくり出す作品でもあります。動画には癒されますが、解説パネルを読むと、作品が生と死、鎮魂にもつながると思えてきました。

ジャン・シュウ・ジャン《動物故事》:作家は1988年、台湾生まれ、同地拠点。

■グランドギャラリーに女神様
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VR作品に登場する女神マージュージュ、顔がいくつもあり、体は蛇のように渦をまいています。この女神はイスラム教では攻め込んでくる異端の民族ですが、作品では未来を占い、予言し、警告をして、可能性を呼び覚ます存在です。

ニック・ケイヴ《回転する森》のくるくるまわるガーデン・スピナーが背景になって、美術館全体と女神がつながっているようです。グランドギャラリーの階段に座っています。小さいので見逃さないように。

モレシン・アラヤリ《未知をしる彼女》 VRゴーグルとコントローラーを使用する体験型の作品、要予約。
作者は1985年、イラン生まれ、ニューヨーク拠点。

■無料、予約不要の場所
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写真では右、白いカウンターの間が正面入口

美術館内部のグランド・ギャラリーは、ニック・ケイヴ《回転する森》、左右の階段上の作品も無料スペースです。
正面から入って、右に曲がりロッカーの先に横浜の橋をモチーフにした作品、レクチャーホールのイベントも無料です。
入館には体温と消毒が必要です。
チケットが必要なのは、エレベーターで上がる上のフロア(3階)です。

プロット48はのミュージアムショップ、中庭のような場所は、無料、予約不要です。

【ヨコハマトリエンナーレ2020  AFTERGLOW―光の破片をつかまえる】
2020年07月17日~2020年10月11日
https://www.yokohamatriennale.jp/

おしゃれな子どもたちを発見!三菱一号館美術館「画家が見たこども展」 

三菱こども展 IMG_3581 少し縦長 2

垂れ幕:上 フィンセント・ファン・ゴッホ《マルセル・ルーランの肖像》(部分)1888年 アムステルダム、ファン・ゴッホ美術館
下 モーリス・ドニ《赤いエプロンドレスを着た子ども》(部分)1897年 個人蔵


■ゴッホが描いたこども
三菱一号館美術館は2020年4月6日に10周年を迎えました。10周年記念の展覧会「画家が見たこども展 ゴッホ、ボナール、ヴュイヤール、ヴァロットン」が2月から開かれています。19世紀末の芸術家グループ「ナビ派」の画家を中心に、約100点の作品が集まりました。

大きな垂れ幕には、赤ちゃんと女の子が描かれた作品があります。赤ちゃんはゴッホの作品です。
この赤ちゃんはマルセル・ルーラン、しっかりした顔立ちと大きな青い目が印象的です。白い帽子やベビー服の輪郭線は、緑、白、黄、茶色などが混ざって赤ちゃんの柔らかい雰囲気を作り出しています。垂れ幕ではカットされて見えませんが、ふっくらした手の小指に赤い指輪をしています。是非、展示室で見てください。

■ゴッホの友人ルーラン夫妻
ゴッホ IMG_4387
フィンセント・ファン・ゴッホ《郵便配達人ジョゼフ・ルーラン》1888年
同《子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ ルーラン夫人》1889年 ともにボストン美術館
2017年の『ボストン美術館の至宝展』(東京都美術館)の絵ハガキ


マルセルはジョセフ・ルーランの末娘、フランス南部のアルルで暮らしたゴッホと親しく、モデルも努めた郵便配達人のルーランが父親です。ルーラン夫妻の肖像画は何枚かあり、日本にも来ています。2017年の東京都美術館の展覧会では夫妻の肖像が1枚の絵ハガキになっていました。夫人が握っているひもでマルセルが眠っているゆりかごを揺らしていたのでしょう。

■カタログもおしゃれ
三菱子ども展 IMG_4006 copy
カタログ表紙:左(裏表紙)ピエール・ボナール《家族の情景》(部分)1893年 三菱一号館美術館
右(表表紙)エドゥアール・ヴュイヤール《赤いスカーフの子ども》(部分)1891年 ワシントン・ナショナル・ギャラリー


カタログの表紙はボナールが描いた妹の子どもと家族、裏表紙はヴュイヤールがパリの街で見かけた女の子、赤いスカーフと青いカチューシャがおしゃれ、うきうきした足取りを感じます。この展覧会ではファッションにも注目です。
カタログは見返しもヴァロットン作品。なかの章扉にもヴァロットンが描く子どもたちが登場します。

ヴァロットン IMG_3572 エルサイズ 
撮影コーナー:フェリックス・ヴァロットン《可愛い天使たち》1894年 三菱一号館美術館
三菱一号館美術館が所蔵するヴァロットンの木版画がずらりと並んでいました。しかも撮影ができるのです。《可愛い天使たち》は等身大になって撮影コーナーにも登場。ちょっとシニカルに描かれた子どもたちと記念撮影ができます。この作品はカタログの見返しにも使われています。

■ショップにもヴァロットン
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左:サコッシュ《にわか雨》の部分
中:フェリックス・ヴァロットンのカレンダー 6月《にわか雨》1884年 三菱一号館美術館(今回の展示作品)
右:同《ボール》パリ、オルセー美術館(2014年展示のポスター)


作品を見た後はミュージアムショップへ、左のサコッシュ(バッグ)はガチャガチャでゲットしました。小さいのに入れるところが二つもあって便利です。ヴァロットン柄のTシャツ、トートバッグ、フランスの手芸品や菓子などもあって、迷ってしまいました。

右は2014年のヴァロットン展(三菱一号館美術館)で買ったカレンダー。6月はサコッシュの元になった作品です。絵ハガキよりも大きくて、しっかりした紙質なので、捨てられないカレンダーです。

「画家が見たこども展 ゴッホ、ボナール、ヴュイヤール、ドニ、ヴァロットン」 
2020年2月15日開幕、当初は6月7日閉幕予定でしたが、9月22日まで会期延長。
入館は予約制、小中学生は無料です。
三菱一号館美術館 https://mimt.jp/

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プロフィール

art hummingbird

Author:art hummingbird
アート、本、映画を中心に
見たこと、感じたことを伝えていきます。

ハミングバードは蜂鳥のこと、
体長は約6センチ、
蜂のように羽を動かして、
空中に留まることもっできます。

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